愛媛大会オンライン大会 【山下大会長 ご挨拶】【宇都宮大会運営委員長ご挨拶】【全高書研 荒井会長ご挨拶】
 
 
 
 
 愛媛大会オンライン大会開催に向け、第四十六回全日本高等学校書道教育研究会 愛媛大会会長 山下尚位先生(愛媛県立宇和高等学校長)、愛媛大会運営委員長 宇都宮澄美先生(愛媛県立東温高等学校)、全日本高等学校書道教育研究会 会長 荒井利之先生(川崎市立川崎総合科学高等学校長)より、会報にご寄稿いただきましたご挨拶を転載し、会員の皆様にお知らせいたします。
 
 
 
  ホームページ掲載の授業研究内容紹介、研究発表内容紹介と合わせて愛媛大会オンライン大会の運営方針やオンライン大会での運用などにつきまして、ご理解を賜り多くの先生方にご参加をお願いしたいと考えております。
 
 
 大会申し込み締め切りを延長しておりますので、是非お申し込みいただきますようお願いいたします。
 
 
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 →  2021年度愛媛大会オンライン大会開催について
 
 
 

第四十六回全日本高等学校書道教育研究会愛媛大会へのご案内

第四十六回全日本高等学校書道教育研究会 愛媛大会会長 山下 尚位
(愛媛県立宇和高等学校長)

 第四十六回全日本高等学校書道教育研究会愛媛大会の開催が迫って参りました。昨年来、世界を覆いつくしているコロナ禍の中で、従来の形で大会を行うことが適わなくなっています。この状況下にあって、できることは何かを探りながら準備を進めています。

 まず、新型コロナウイルス感染症予防の観点から、オンライン開催に踏み切らせていただきました。日程も短縮いたします。全国の書道教育に携わる皆様に松山にお越しいただき、道後温泉で身も心もほぐしながら意見交換をしたいと考えておりましたので残念でなりません。

 しかし、地球規模での災禍に出遭いながらも、書道教育の進化を止めることはできないと考えています。
 また、ICT教育の実践が重要な教育課題となっている現在において、書道教育の中でどのような活用方法があるかを示す機会であると捉えています。

 奇しくも、愛媛県では、今年度始め、全県立学校の生徒に一人一台の情報端末機器が配備されたところです。すでに整備されていたWi-Fi環境と併せ、これらの運用は始まったばかりですが、試行錯誤する中で見えてきた課題もあります。新学習指導要領の実施に向けたICTの活用について研究が不足していることや、活用に関する教員の経験不足などです。今回の愛媛大会は、これらの課題を踏まえ、書道教育の未来につながる挑戦となるよう準備してまいりました。

 オンライン開催自体が大きな試みです。愛媛大会で試みたことが精査され、今後の大会運営の発展につながることを期待しています。

 本大会のテーマは「『文字文化と豊かに関わる書道教育』~書の見方・考え方を通した深い学び~」としました。本県開催にあたり、書道教育の原点回帰を念頭に研究テーマを設定しました。

 豊かな想像力をもって感性や情緒を育むことを目指す上で、そのフィールドとなるのは「文字文化」です。多様な個性を認め合い、理解し合うためにもアプローチの仕方は豊かでなければならないと考えています。

 変化が激しく、予測困難なこれからの社会を生き抜く力を身に付けることは、様々な場面で指摘されているところです。具体的には「自らの力によって、課題を見つけ・学び・考え・判断して行動する学習サイクルの実践」が重要になります。
書の見方・考え方を通じて、それらの力を形成することをねらっています。
今回の授業研究では、本県の二名が授業を公開させていただきます。その模様はLIVE中継をいたします。研究発表では本県より二名の発表を計画しています。コロナ禍にあって、WEB会議等を併用しながら研究会を重ね準備してきました。ご参加の皆様の忌憚なきご指摘をいただき、研究協議が充実したものになることを期待しています。

 計画していたことを縮小していく中で、「安心・安全」の保障を第一義としました。削ぎ落した企画を思うと寂しい限りですが、実施するものに関しては研究大会の根幹であると自負しています。

 松山城、道後温泉等を散策いただき、瀬戸内の海の幸に舌鼓を打っていただくようご案内したかったところですが、このような状況下ですので差し控えます。コロナ禍が収束して、安心して往来ができるようになりましたら、是非お越しください。今大会が、愛媛と皆様の橋渡し役になることを心より願っています。
 
 
 
 
 
 
愛媛大会開催に向けて
第46回全日本高等学校書道教育研究会 愛媛大会運営委員長 宇都宮 澄美
(愛媛県立東温高等学校)
                      
 
 第46回全日本高等学校書道教育研究会の全国大会が、本年初めてこの愛媛県において開催されます。三年前より運営組織を立ち上げ、研究部研究会の活動を中心に各部において運営・発表等の準備を進めてまいりました。
 皆様には、是非本県にお越しいただき、書道教育についての議論を深めることは勿論、風光明媚な本県の名所や名物を御堪能いただくとともに、当地の文化に直に触れていただきたいと思っておりました。
 しかし、今般の新型コロナウイルス感染症の影響により、昨年度は残念ながら福島大会が中止となり、本大会も開催が危ぶまれる状況に陥りました。けれども、なんとしてでも開催にこぎ着けたいという思いから、試行錯誤を重ね、本部役員の皆様の御理解と御協力を得て、オンラインという新たな試みにて開催できる運びとなりました。初の試みであり、不安もありますが、無事に成功を収められるよう尽力いたします。

 本大会のテーマは、「文字文化と豊かに関わる書道教育~書の見方・考え方を通した深い学び~」としました。今回の学習指導要領においては、「何ができるようになるのか」という観点から指導内容の見直しがなされています。価値観が多様化し、社会的な変化が加速していく時代を生き抜くために必要な力とともに、自分たちだけではなく、他者の思いを受け入れた中で、人として思いを伝え、より多くの人が納得できる「納得解」を導き出す力を育成することが求められています。指導内容の変化というよりも、私達教員の意識の変革を求められたものだと感じ、「何のために」「何を」「どのように教えるのか」「そのために何が必要か」をもう一度見直し、その結果を検証することで、生徒にとってより効果的な指導を考えるという基本に立ち返ることを念頭に研究を進めてまいりました。

 今回の改訂において、小・中学校においては文字の由来や文字文化に対する理解を深めることについて、また、高等学校においては文字や書の効用を生活や社会に生かすことや、多様な文字文化に対する理解を深めることが述べられています。活字が氾濫する現代社会の中で、書の伝統と文化を継承するには、芸術的な書の美しさと多様性を理解することが求められます。私達が今までただ漠然とした感覚で捉えてきたこれらを、確かな根拠をもって生徒たちに伝えていくべきだと考え、このテーマを設定しました。

 この度は、オンライン開催となり、皆様にお越しいただけないのが大変残念ですが、見方を変えれば、現地に赴くことを許されない方々にも、参加していただけますし、これまで以上に本大会の本質を問われているものと感じております。
 
 授業研究では、授業内容に至るまでの指導経過を撮影・編集した動画をYouTubeチャンネルで事前公開いたします。
 当日までに視聴し、ライブ配信する授業での生徒の成長を楽しみにしていただきたいと思います。
 研究発表では発表資料等を事前配信いたしますので、当日までに御一読ください。また、併催展「愛媛ゆかりの俳人・文人の書画展」もWEB公開いたします。 
 是非ともこれまで以上に多くの方々に御参加いただき、忌憚のない御意見や御提言を頂戴し、今後の授業実践に生かしたいと存じます。皆様の御参加を心よりお待ちいたしております。
 
 
 
 
 
全日本高等学校書道教育研究会  会長 荒井 利之
(川崎市立川崎総合科学高等学校長)
 
 
 初秋の候、全国で書道教育を推進されている多くの先生、そして本研究会にご支援ご協力を賜ります多くの皆様におかれましては、ますますご健勝のことと存じます。日頃より本研究会の活動にご理解ご協力を賜り、心よりお礼を申し上げます。併せまして、文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官の豊口和士様におかれましては、日頃より本研究会の発展のためご高配を賜り心より感謝を申し上げます。

 さて、今年の十月二十日(水)、第四十六回全日本高等学校書道教育研究会愛媛大会がオンラインにて開催させていただきます。開催に当たり準備に携われてこられた愛媛県の皆様には、厳しい社会情勢の中、運営をはじめ研究授業、研究発表等にご尽力していて頂いていることに心よりお礼を申し上げます。愛媛県の先生方の開催に向けた強い思い、そして目標に向かって突き進む団結力に事務局の私たちこそ力を頂き、共に取り組ませて頂いていることに深く感謝を申し上げます。

 今年の愛媛大会では、来年度からスタートする高等学校学習指導要領の趣旨のもと、三観点評価、ICT活用の充実、そして新しい指導と評価の方法を取り入れ、全国の皆様へその指針となるスタイルをお示しすることを目標に取り組んでいるところです。国立教育政策研究所から示された「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する資料が提示されたのが八月末でした。それを受けて発表者の先生は、修正と推敲を繰り返し、これからの書道教育の在り方を示すため、豊口調査官のご指導を賜りながら、この大会に臨むため準備に取り組まれています。このような点からもこの大会の開催意義は大変大きいものと言えるでしょう。

 そこでこの愛媛大会は、テーマに「文字文化と豊かに関わる書道教育~書の見方・考え方を通した深い学び~」を掲げられました。書の芸術文化を言語文化、文字文化との関わりを通して広く捉え、長期的な展望をもっていかに取り組んでいけるか、という大きな命題がこの中に含まれています。そして書の見方・考え方を働かせることで生活や社会とどのように関わり、書がいかなる芸術なのかを探究していくことで深い学びにつなげていくという具体的な目標が副題に掲げられています。

 コロナ禍で大会の開催そのものを検討しなければならない時期もありました。しかし、学習内容が学習指導要領に示されたどの指導事項に当たるのか、単元の中で評価規準を設定し修得したことをどこで評価するのか、またそれを今後は三観点でどのように評価していくのかを求められている中、本研究大会初のオンライン形式により、皆さんと共有し共に高めていきたいという強い思いから今回の大会は開催されます。

 愛媛県松山市は文学と深い関りがある地域ですが、その中に詩人坂村真民氏は県民だけでなく今や全国の人々の心に生きる力を与えてくださる言葉を残しています。その中に「念ずれば花ひらく」という有名な一説があります。愛媛県の先生方、そして生徒の皆さんはこのような文化の中で育まれ、今大会もそのようなスピリッツが集結した大会であると思わずにはいられません。大会に携わる皆様に改めて感謝を申し上げます。そして、この大会に参加される全国の私たちは、発表内容の根底にどんな状況でも目標を見失わずやり遂げようとする心意気を感じていただければありがたく存じます。

 皆様におかれましては、新しい時代への先駆けとなるこの愛媛大会の意義をご理解いただき、多くのご参加を心よりお待ち申し上げます
 
 
 
 
 
 【本部事務局より】
 
 今回の愛媛大会オンライン大会に向けての定期刊行物であります「全日本高等学校書道教育研究会会報 愛媛大会特集号」の刊行につきましては、事業計画の遅滞により発行が遅れておりますことお詫び申し上げます。
 
 
 愛媛大会開催に向け御寄稿いただきました山下大会長先生、運営委員長宇都宮先生先生には会報発行が遅れましたことにより、大会方針やオンライン大会運営の具体などが全国の会員の先生方への周知が遅れたいへんご迷惑をおかけいたしました。
 
 
 
 本来、会報でお知らせすべきでありました大会長先生のご挨拶、運営委員長ご挨拶、全高書研会長挨拶は、愛媛大会オンライン大会のあり方や運営の工夫、ご参加の呼びかけなどその内容は会員の先生方にとって大切な情報でありますので、本日会報にご寄稿いただきましたご執筆原稿を、ホームページによりご紹介ご案内を進めさせていただくことにいたしました。
 
 
 今後、事業計画の各事業につきましては、会務運営のはかり業務の改善を図って参ります。
 
 
 引き続き、全日本高等学校書道教育研究会の事業計画にご協力賜りますようお願い申し上げます。