第44回岡山大会 第2日
全日本高等学校書道教育研究会 事務局
第44回全日本高等学校書道教育研究会岡山大会 第1日
会期
2019年11月14日 (木)~ 15日 (金)
会場
公立学校共済組合岡山宿泊所 ピュアリティまきび
岡山市北区下石井2‐6-41 TEL 086-232-0511
ーーーーーーーーーーーーー
第44回全日本高等学校書道教育研究会岡山大会第2日の様子をお知らせいたします。
開催日 令和元年11月15日(金)
◆【岡山大会 分科会(研究発表)・研究協議 】
実施日 11月15日(金)9:00~11:00
A 研究テーマ「ICT活用からアプローチする生徒の主体的学習活動」
◇「タブレット機器活用の実践と考察 ~深い学びへ誘うために~」
兵庫県立青雲高等学校教諭 前 田 典 子 先生
◇「書画カメラの活用と工夫 ~実演を交えた意見交流~」
岡山県立玉野高等学校教諭 西 川 佳 宏 先生
協議
司 会 岡山県立岡山一宮高等学校 北村 博典
コメンテーター 聖徳大学附属女子中学校高等学校 小室 信男
B 研究テーマ「地域の文化から生徒の感性に働きかける学習活動」
◇「地域の先人の生き方から自己を見つめる ~10年後の自分への手紙~」
岡山県立倉敷南高等学校教諭 板 持 裕 子 先生
◇「学校所蔵資料を用いた漢字仮名交じりの書の実践 ~一世紀の時を超えて~」
京都府立鴨沂高等学校教諭 西 村 大 輔 先生
協議
司 会 岡山県立倉敷商業高等学校 梶谷 純子
コメンテーター 熊本県立第二高等学校 志垣 嘉納子
C 研究テーマ「鑑賞における主体的・対話的で深い学びを引き出す学習活動」
◇「『生徒のまなざし』を切り拓く段階的指導」
岡山県立玉島高等学校教諭 安 原 亜 悠 先生
◇「『主体的・対話的で深い学び』を引き出す鑑賞学習に向けて
~福岡県における『書道Ⅰ』の鑑賞学習の状況と授業改善の取組~」
福岡県高等学校書道教育研究部会 代表 福岡県立三井高等学校教諭 中里 将大 先生
協議
司 会 岡山県立総社南高等学校 平松 晃一
コメンテーター 群馬県立高崎工業高等学校 國定 貢
◆【岡山大会 研究集録紙上発表】
・「書道教育における思考ツールの効果的な活用について」
岡山県立津山高等学校 泉 奈生子 先生
岡山県立矢掛高等学校 岡田 愛 先生
・「高等学校におけるパフォーマンス課題の実践について」
岡山県立津山工業高等学校 馬木 志帆 先生
・「漢字仮名交じりの書」における漢字と平仮名の調和した表現に関する指導上の工夫について
福島県立喜多方東高等学校 谷津田 裕紀 先生
・学校司書(エリアコーディネーター)と連携したPOP制作
宮崎県立宮崎商業高等学校 波賀 恭子 先生
【全体会】
11:10 ー
1閉会の言葉
全日本高等学校書道教育研究会副会長 新井 和徳
2岡山大会研究成果報告
岡山大会研究部長 有本登貴子
3大会講評
文部科学省初等中等教育課教育過程課教科調査官 豊口 和士
4閉会のことば
全日本高等学校書道教育研究会副会長 森 勝博
【第44回全日本高等学校書道教育研究会岡山大会 閉会式】
12:00 ー
次第
1 開式の言葉
岡山大会副大会長 福本まゆみ
2 挨拶
全日本高等学校書道教育研究会会長 荒井 利之
岡山大会大会長 延原 良明
3次期開催県代表 福島県代表
福島県立福島東高等学校校長 吉田 強栄
4閉会の言葉
岡山大会副大会長 森本 裕文
諸連絡
全日本高等学校書道教育研究会事務局長 山下 剛
岡山大会運営委員長 平松 啓吾
岡山大会事務局長 研山 勇人
【講演会】
13:10 - 14:20
演題
「書の魅力と文学」
講師 島谷 弘幸 先生
九州国立博物館 館長
司会 岡山大会事務局長 研山 勇人
1講師紹介 岡山大会運営委員長 平松 啓吾
2講演
3代表謝辞 岡山大会大会長 延原 良明
【全体会・閉会式・講演会】
分科会A 西川先生 前田先生の分科会発表をうけて
コメンテーター 小室信男
「21世紀を生き抜く力を育む」は学習指導要領改訂の骨子ですが、「主体的・対話的で深い学び」と情報活用能力(ICT活用能力)の関連から、今社会から求められている授業の質の高い学びの実現の考え方を整理したいと思います。
ICTは「主体的・対話的で深い学び」にどのように寄与できるのか。
「自分の考えを整理する場面」や「友だち、あるいは教室の中で共有する場面」や「説明するときに映像を示したりしてエビデンスを見せる場面」でのICT活用が効果的だとICT関連情報誌などではザックリと述べられています。
学習のPDCAでは
1 学習のめあて (課題の提示)
2 調べ学習 (情報収集)
3 個別学習・思考 (情報処理)
4 グループ学習 (情報発信+協働学習)
5 グループまとめ (コンセンサスの醸成・思考の深化)
6 発表・プレゼンテーション(情報発信)
7 感想・意見交換 (評価)
8 再検討
が循環・往還しながら学びが深まっていきます。
これは、一般社会で利用されている「PDCAサイクル」と同様の流れで、「PDCAサイクル」というのは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返すことによって業務改善を推進する手法ですが、これからの高等学校芸術科書道学習指導の場面では、
・知識・技能、
・思考力・判断力・表現力
・学びに向かう力
の学習指導の循環をどうすべきか、全国の先生方で試行錯誤が続いています。
これから、この試行錯誤の段階であっても、実践事例の共有データベースの公開がWebサイトでできるシステムが待たれるところです。
「主体的・対話的で深い学び」で目指すのは「業務改善能力」ではなく「課題解決能力」の育成です。
答の決まっていない課題、経験したことのない未知の事象にも対応できる「課題解決能力」。課題を見つけ出し、チームで協働して解決する力の育成です。
もちろん、この「主体的・対話的で深い学び」は小学校で始まり、中学~高校と発展・深化して行きます。
そして、新学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」は全ての授業や学びのシーンや生活の場面で必要な学びとされています。
この学びで得た力は、生涯にわたって能動的=アクティブに学び続ける力になっていきます。
これまでの書道の学びの特質特性と高等学校芸術科書道の学びの構造をもう一度振り返ると、その改善ポイントは
1 発想や構想の促し方
2 創造的・個性的に表現する方法の促し方
3 見方・感じ方をより深めることの手法の促し方
の三点を再考し、授業手順やルーブリック、ワークシート、語彙習得カード、コンテンツボックス、共有教材などを作り直し、継続して運用できるICT活用の活用スキルを学び、生徒の発表する場面をより多く設定し、先生は優れたコーチングを持つ支援者であることを意識し、生徒の学びの充実感を高めて行きたいと、考えています。
その際、
1 書に関する見方•考え方の深まり
⇨ これをさらに深めて行きたい
2 文字文化、書字文化、書字過程の学び
⇨ この学びの本質をもっと生徒と共有したい
と考えています。
本日の西川先生、前田先生の発表は汎用性があり、ICT活用の実践事例としてすぐに活用できる資料です。
多くの学校での汎用性のある活用実践であり、明日からの授業で生かしていただきたいと考えています。
ところでICT活用の場面とはどういうシーンでしょうか。
6月に西川先生、前田先生の発表資料を拝見させていただき、このようなシートを本日の分科会参加の先生方と共有できれば良いなあーと考え5W1Hでまとめてみました。
下記に提示(掲載)いたします。
西川先生、前田先生の実践研究は今後の高等学校芸術科書道のICT教育の先駆的事例としてこれから全国の多くの学校で活用されるものと確信しております。
これまでの両先生の研究課題への取り組みに対し、ご参加の先生方で敬意を表し拍手をもって分科会Aを閉じたいと思います。ありがとうございました。